2016/12/22

 

僕が大学生になったとき、文字通り、世界が広がった。

 

一番大きかったのは、「好きな服を着て大学に行っていい」ということだった。

僕は18歳まで服を自分で買ったことがなかった。全部兄のおさがり。

服に対するこだわりがゼロ。

 

ぼくは大学デビューをしようと決心した。

 

よく覚えている。大学始業式が終わったあと、ぼくは服を探しに、浜松を歩いた。

しかし服をどこで買えばいいのかわからない。

セレクトショップ的な店に訳も分からず入ったら、服が1着数万円もした。膝から崩れ落ちた。

 

「服って一万円もするの!?

プレステのソフトが二個も買えるじゃんよ!」

 

とか、謎のことを口走っていた。

どうしようかなと思って帰り道に西友に立ち寄った。

大きなスーパーマーケットだったので、安物の服コーナーがあった。

 

 

 

 「めっちゃ安い!

1着300円!

10着で3000円!」

 

とか、謎のことを口走っていた。

しかしデザインは明らかに悪い。

さすがに僕にも、それはわかった。

 

 「デザインTシャツ系はダサいな。。

しかし、このボーダーシャツは大丈夫そうだ」

 

僕はそこで売っていたボーダーシャツを全部買った。

 

 「とはいえ、毎日ボーダーを着ていったらアホに思われるな...そうだ!

曜日を決めて、ボーダーの色を変えればいいんだ!」

 

僕はボーダーの色を、曜日ごとに変えていくことを決めた。

自分はなんて、ファッションの天才なんだろうと震えた。

 

 


西友にないボーダーの色はユニクロで補完した。なぜその時ユニクロで、ボーダー以外の服を買わなかったのか、僕は自分がわからない。

 

・・・

 

半年が過ぎた。

友達の女の子が、僕に言った。

 

 

「どうしてボーダーをよく着てるの?」

 森「じつは曜日ごとに、わけてるんだ。

今日は火曜日だから緑色なんだ」

 

「森くんのボーダーをみたら曜日がわかるんだね!便利!」

いい流れだと思った。

それ以後、その女子は「今日は青だから水曜日だね!」とか声をかけてくれるようになった。

ぼくは嬉しかった。

 

しかし、、

それが褒めているのではなく、何だかバカにされているように思えてきた。

 

 

 

 

 「僕は馬鹿にされてるのかもしれない。抵抗しよう」

 

ああ。せっかくその子は、僕の色のパターンを覚えてくれたのに。

当時の若かった僕は、すぐに疑心暗鬼になってしまう性格だった。

 

 

次の週

 

ぼくは郊外のユニクロでやっと見つけた、レインボーのボーダーを着て大学に行った。

 

 

(これで今日が何曜日かわからないだろう。混乱するがいいさ)

 

僕は彼女にこのレインボーを見せつけてやった。

彼女は特に何も言わず、普通に挨拶を交わした覚えがある。

 

しかし僕は戦っていた。

 

帰宅して、一体自分は何をしているんだろうと落ち込んだ。

どんだけ暇なんだよと思った。

そして僕は、いろいろあってボーダー服を捨てた。

 

その後の大学生活は、コムサで統一することにした。